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第12回 展 2017

 

第12回 展  2017. 11. 21. tue. - 12. 3. sun.

 

 12回目の『本・展』は、5歳から89歳まで、幅広い年代の方に出品頂き、125組191冊の作品が並びました。初日から吹雪、会期通しての悪天候にも関わらず、915名の来場者で賑わいました。

 

 「似たような展覧会を以前も見たけど、違う団体が主催しているの?こちらはすばらしいですね」と勘違いされるほど、各作品のレベルが高くなりました。自由に表現するということの意味がだんだんと浸透してきているのかもしれません。本・展の特徴はジャンルレスということに尽きます。たとえば絵本などジャンルを絞った公募展であったなら、これほどまで不思議な本、ジャンル分け不可能な作品で溢れることはないでしょう。多種多様、まさに表現の宝庫といえます。

 

 今年は何と言っても今までのまちセンと新施設のGスクエア、2会場での連続開催。他にも公式サイト開設、本作り講座、蔦屋書店でのイべントなど、本・展にとって大きな変化の年となりました。

 

※ 下の方では新聞記事やフェイスブックでの作品紹介を転載しています。

※ 各作品は拡大表示できます。各写真には作者名も記載されています。

朝日新聞、北海道新聞、函館新聞に掲載されました。

 

会期中にフェイスブックにて作品紹介していました。展覧会の様子が伝わればと思い、転載します。

 

初日を迎えました。もちろんまだすべての作品を読んではいません。すべて読み終わるには数日かかるでしょう。(最終日までかかった回もありました)ざっと見ただけでも今回は密度が高いと感じます。

とてもすべてを紹介はできないですが、個人的に気になった作品のほんの一部を、少しずつ紹介していきたいと思います。

 

 

たまたまなのか仕掛け本が多いテーブルの中の作品。どれもとてもよくできています。この本は仕掛け自体を前面に出している訳ではないですが、ちょっとしたところが効果的です。飛び込むところなんか「おお、高い!」と思っちゃいました。

 

 

 

 

 

 

 

文字のない絵本。無駄のない線と印象的な色づかい。ストーリーも相まってセンスを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある小説の内容を、想像を膨らまし、あたかも自分が旅をしているような感覚で綴った旅行記ともいえる作品。これを読んだ人はまたさらに新たなイメージを飛躍することでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

クスリと笑えてしまう作品。絵といい、ストーリーといい、肩の力がうまく抜けていて、それでいて次のページがうずうずと気になる、心にくい絵本。

 

 

 

 

 

 

2日目。展覧会ですが、図書館のようでもあります。みなさん数時間滞在し、じっくり読んでいます。パラパラとめくるだけで済ませられない「引力」があるんです。

また数冊紹介します。解説は各写真に添えています。ひとつめ必読。

 

 

 

 

機能障害を持った娘さんに、モノにはそれぞれ名前があるということを教えるために作ったという本。

聴覚も不自由なため文字は形で覚えているという。ページをめくる毎に世界の広がりと深さを感じさせます。簡単な言葉で言い表してはいけないのかもしれませんが、愛情の海に放り込まれる感がします。必見!

 

 

 

 

 

学習塾からはじまった私設図書館。そして本の読み聞かせの会を開き、また創作絵本、紙芝居、絵本の自費出版と50年にも渡る「本」との関わりをまとめた本。いつもグループで絵本などを出品されていましたが、こんなに長く活動されている方とは知りませんでした。脱帽です。

 

 

 

 

 

 

2重になった切り絵の本。開くと立体的に奥行きができるようになっており、劇場のような空間が広がります。また各ページの両側も開くことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

きのこの本。最後のページには折りたたんでいる部分があり、それを開くとなんと暗室のようにすることができ、月夜に光るヒカリタケが浮かび上がります。

 

 

 

 

 

  

出品作品の紹介シリーズ第3弾

下は5歳から上は89歳まで、幅広い年代の方々に出品して頂きました。両方の振れ幅をごらんください。

 

 

 

昨年は4歳での衝撃話題作デビューのハルトくん。興味が続いていれば…というお母さんの期待に答えて今年も出品してくれました。今年はむしずかん。最後のページには、むしのゲーム機と、むしのスマホという立体おまけも付いています!みんなが親のような気持ちになりますねー。

 

 

 

 

 

 

こちらも毎年、長野から出品されている方。いつも独特の味わいある作品でセンスを感じます。布で10数ページにおよぶ山々の表情が綴られています。どの山もとても良い顔をしています。やまのつぶやきが聞こえてくるようです。

 

 

 

 

 

 

 

函館・西部地区のスケッチを本にしています。80代ですが建築家だという話を聞きました。このパース感、確かにその感じが伺えます。ですが決して無機質ではなく、強弱のつけ方がただの図面的なものとは一線を画しています。

 

 

 

 

 

 

 

もう、タイトルやコメントがすべてをあらわしてる。ロールプレイングゲームのようにページが進みます。いろいろいやなことが起こっていますが、なんだかほのぼのとしてもいます。最後はちゃんと家に帰っていますし。七夕飾りのような仕掛け本にもなっています。

 

 

 

出品作品の紹介シリーズ第4弾は、子育て中のお母さんのもの。どれも愛情を感じますね

 

 

 

アボカド。みればわかります。種がびよーんと出ます。開くことができて、そこに内容があれば「本」なんです。いいんです。自由です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本を開いたり閉じたりして喋ってるようにできる絵が展開していきます。文字は書いていませんが、これを使って自由に「会話」をしている姿が目に浮かびます。

 

 

 

 

 

 

 

 

犬のひげを外すと、中から変わった形に折りたたまれた本が登場します。そしてひっくり返すとさらに物語は続く。アイデアが詰まった本。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分で服のボタンを留めたり、靴ひもを縛ったり、「できるかな?」と題された本は、実際にいろいろとやってみることができます。子育て世代ではないのですが、思い出されているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

…小さな服のボタンを外すのは、どうも何かイケナイことをしているような気がしてしまうのは不謹慎でしょうか?

 

 

 

 

 

 

さて、出品作品の紹介シリーズ第5弾は、文章ものを。文章だけがびっちりと読み応えある量が詰まっていると、よほど時間に余裕がある方でないとどうしても敬遠されてしまいます。またそういう方は製本自体もあまり凝っていない場合が多いので、なおさらです。

しかし、そういう本こそ!とっても面白かったりするんです。素通りするのは惜しい!

 

 

 

独特の文章センスのある人。特に昨年は振り切れ方がすごく、個人的にはナンバーワンの称号を与えていました。今年は自分を見つめ直す視点など今迄になかった展開ですが、こういう環境で育ったから現在のこの人がいるのか、と興味深く読みました。

 

 

 

 

 

 

 

お会いしたことはないのですが、この方の文章には人柄が出ています。面白い人生を送ってきたことが、何の嫌味や自慢を感じることなく、自然と良い感じで伝わってくるのです。毎回出されているので、勝手に親戚のような感じになっています。

 

 

 

 

 

 

 

美術家の方が個展の記録を本にまとめたもの。個人的な記憶を探ること、その経過が、旅が、なぜそうせずにはいられないのかということが行間から伝わってくる、詩のような味わいを感じさせる作品です。

 

 

 

 

 

 

 

とても文章のうまい方です。そして内容も奥深いです。1日では読めない量なので、すべて読み切る方はごくごく限られてしまうでしょうが、ひとつひとつの文は短いので、一部だけでも是非読んで欲しいところです。

 

 

 

 

 

 

 

個人的に転機になった出来事をフィクションも交えて綴ったもの。これ、手書きなんですよね。清書したのでしょうか?考えながら書いたのでしょうか?一部、直した跡もあるので、後者のようでもあります。それだけでもすごい。黒く潰したところに目玉が付けられていて、ところどころ虫がとまっているように見えるところも風情があります。

 

 

出品作品の紹介シリーズ第6弾は、アート系のものを。僕が美術に関わっているので、そういったものも増えてくれれば嬉しいと考えていました。これらも「本」ですよ。

 

 

 

個展までの一年間、画廊オーナーに毎日手紙を送る。手すき紙で作られた365枚の手紙にはメッセージと共に月の満ち欠けが印されている。それらを一ヶ月ごとに糸で繋げて綴じ、満月のようにボックスに納められている。アート的文法があり、本であり、オブジェ作品でもある。

 

 

 

 

 

 

昔の版画集を思い出します。印刷ではなく、版画そのものを本にしたものには、こういった作りになっているものもありました。しかしこれは版画ではなく鉛筆で描かれたものであることに気づくと、突然見え方が変わってきます。静謐で品があり、この「本」そのものがひとつの美術作品となり、立ち上がってくるようです。

 

 

 

 

 

 

 

拾得物をテーマにしたもの。この作家独特のコトバが紡がれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーシングペーパーに絵具で描かれています。濃く描かれた部分と、転写されたような部分、透けていることにより重なり合う色と色。これ自体がインスタレーション(空間芸術)作品のようでもある本。

 

 

 

 

 

 

拙作なので紹介するのをためらったのですが、本の概念を問い直し、こんなのも良いんだ!と次回作への刺激となれば。花びら形のワイヤーの一部を持ち上げると開き、中に6ページの本文があります。そして横に見えるのは広辞苑を改造したもの。「市販のノートなどはダメ、手作りの本を」としていますが、(サイト内でも触れていますが)そこに意味があればその限りではありません。最初の数ページを読んで頂ければ解りますが、この作品には辞書である必然性と、コンセプトが詰まっています。

出品作品の紹介シリーズ 第7弾はどこか不思議なものを。

 

 

 

 

小学校のハンコ倶楽部が出品してくれました。ハンコの絵から物語を作っていますが、「自由」としか言えないその発想とその展開。いいなぁ、とため息がでます。